エッセイを書いてみた
家 Living | |||||||||||
2000年の秋 浜のある街、山側にある谷戸に建つ義父の家へ しばらくの間誰も住んでいなかった家の | |||||||||||
建つ谷は秋の高い空が狭く見えるほど灌木が茂り鳥の声の響く深い森になっていてた。 | |||||||||||
山の上に吹く浜からの風に落ちる枯葉の音だけがした。 | |||||||||||
敷地の佇まいが子供のころ祖父と暮らした北鎌倉の家にあまりにも似ていると思った。 | |||||||||||
ふと此処を毎年数回は妻と訪れていたハワイの山の東側に建つアイランドスタイルの家、 | |||||||||||
プランテーションハウスのイメージの家に自分の手でレノベーションして住んでみたいとの思いが浮ぶ。 | |||||||||||
板壁の白 ラナイ風に張り出した軒 白を基調としたオープンスペースの多い部屋のインテリアが | |||||||||||
緑の深いこの土地にきっと馴染むに違いないと思った。 | |||||||||||
住む事が可能な家のインテリアのレストアーに三月を要した。 | |||||||||||
白に近い色のフローリングと木の横壁を張り白くペイント塗りシーリングファンを取り付けた。 | |||||||||||
大きめのワークテーブルのキッチンスペースを作った。 | |||||||||||
林に陽を入れるための間伐 下草刈りの為の庭から続く小道を造ったりとにさらに半年を費やす。 | |||||||||||
伐採した木をかたずけていた時にふとハワイの東側の村に置かれていたティキの姿が浮び | |||||||||||
この木を彫り豊穣の神 ロノ 祖先を敬う神 アウマクアを祭り共に住もうと | |||||||||||
そして一年が過ぎる頃には相当な数のティキと裏山に移植し増えたバナナと暮らすことに。 | |||||||||||
幹道から細い道を400m程行ったデッドエンドの敷地は玄関前に山が迫り南に向いたリビングルーム前から | |||||||||||
の庭は急斜面の山へと伸びていて 10本程あった杉を5本と雑木を間伐した結果斜面にある山桜の古木が | |||||||||||
見えるようになり春先の花見は山桜の白い花が晴の日の青い空に映えて美しい。 | |||||||||||
西側は比較的緩やかな斜面で自生する空木や植えこんだエリゲランが白い花を咲かせる。 | |||||||||||
春先には菜の花が斜面を黄色に変える。裏側には平坦な土地が少しだけあり辛夷 柿が育ち | |||||||||||
斜面の上部は移植したバナナが林になっていてトランペット エンジェル 浜ゆう 白花の夾竹桃がトロピカルな | |||||||||||
雰囲気をだしている。 | |||||||||||
此処ではは5月から10月までの間草刈りが主な仕事となる。 | |||||||||||
都会生活が長かった体には辛い仕事だが刈り終えた時の草の匂いで溢れた斜面で風に吹かれながら | |||||||||||
徐々に体が冷えてゆくのを感じながら味わう達成感は何物にも代えがたい幸せな気持ちの良さだ。 | |||||||||||
住み始めて以来植樹した妻の好みの白を基調とした紫陽花の株は100本を越し谷に咲く花は自生の山吹を除いて | |||||||||||
山法師 エゴノキ 雪柳 小手毬 白萩 等が一年を通しほとんどの樹木が白い花を付ける谷になった。 | |||||||||||
此処で二人だけの生活が始まり10数年が過ぎようとしている。 | |||||||||||
リタイヤー後二人であり余る時をどのように過ごして行くかと危惧する時期もあったが | |||||||||||
心地よい生活を維持するためにはすべき事柄は多岐に渡り人に指示されるのではなく | |||||||||||
日々行わなければならない事で追われる日々が続く。 | |||||||||||
二人の気に入った品物、インテリヤ 良い住み心地を得る為に揃えたい物は自身で作らねば得られない物も多く | |||||||||||
最低限度の大工仕事の出来るハンドツール 電動工具に始まりアウテリアの為の草払機 | |||||||||||
チェーンソー 小さな菜園のための農作業の道具を揃えた。 | |||||||||||
冬に寒い外での作業の前に暖を取る為のストーブ小屋も建て付随して薪置き場を作る。 | |||||||||||
道具をストーレッジする為に家の裏側の軒を張り出して物置にした。 |
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